文章用
香月が適当に思いついた文章とか文字とか言葉とか。
二次創作も混ざります。
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「驚いたな」
振り返ったところにちょうど居た。
「なにか、ありましたか?」
白いTシャツにジーンズという、いつもと変わらない猫背の男は、瞬きもしないまま、大きな黒い目を向ける。
「会いたいと、思ったんだ」
夜神月は、そういって華やかに笑った。
茶色の髪が、風に揺れる。
「私・・・に?」
感情の読めない表情で、竜崎は自分を指差した。
「うん。別に意味なんてないけど、居たらいいなって思ったら、居た」
「・・・私は、喜ぶべきところですか?」
「・・・まかせるよ」
目を伏せて、それから、空を見あげた。
雲ひとつない、青空が広がる。
「私は、いつも思ってます」
「なにを?」
「夜神くんが、居たらいいと」
夜神月は、少し驚いたように目を見開いて、それから、少し照れたように顔をそらした。
「・・・ありがとう」
ぼそぼそと、答えた声は、風にかき消されたが、竜崎の耳には届いていた。
彼の、素直さこそが、不自然だと、竜崎は思いたくなくて、聞こえないふりをした。
終
振り返ったところにちょうど居た。
「なにか、ありましたか?」
白いTシャツにジーンズという、いつもと変わらない猫背の男は、瞬きもしないまま、大きな黒い目を向ける。
「会いたいと、思ったんだ」
夜神月は、そういって華やかに笑った。
茶色の髪が、風に揺れる。
「私・・・に?」
感情の読めない表情で、竜崎は自分を指差した。
「うん。別に意味なんてないけど、居たらいいなって思ったら、居た」
「・・・私は、喜ぶべきところですか?」
「・・・まかせるよ」
目を伏せて、それから、空を見あげた。
雲ひとつない、青空が広がる。
「私は、いつも思ってます」
「なにを?」
「夜神くんが、居たらいいと」
夜神月は、少し驚いたように目を見開いて、それから、少し照れたように顔をそらした。
「・・・ありがとう」
ぼそぼそと、答えた声は、風にかき消されたが、竜崎の耳には届いていた。
彼の、素直さこそが、不自然だと、竜崎は思いたくなくて、聞こえないふりをした。
終
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ベッドに座った夜神月がまっすぐにLを見つめていた。
そして、ゆっくりと視線を足元に落とすと両手を膝の上におく。
Lは月に近づいて、ゆっくりとボタンをはずしていく。
沈黙とほの暗い明かりの中で、黙々と、まるで何かの儀式のように。
Lはその長い指先で、白いシャツの白いボタンをひとつずつはずしていく。
すっと伸びた首筋から、鎖骨が覗く。
そして、薄くも厚くも無い、胸板。
最後のボタンがはずされると、色白い肌があらわになった。
傷ひとつ無い、滑らかな肌。
「きれいですね」
そう、一言。
長い長い沈黙の後に、呟いて、触れる。
呼吸するごとに小さく振動する胸を撫でると、びくりと震えた。
「じれったいよ、竜崎」
少し、呆れたような。
熱い吐息と共に吐き出された声。
「せっかちですね」
ふ、と、口元を緩ませて、Lは月をベッドに押し倒した。
「僕ばかりで、ずるい」
不満を宿した視線がLを捉えると、なんのことかすぐに思い当たる。
「では、月くんが脱がしてください」
月の上にのったまま、表情を変えずに言うと、一瞬月が眉根を寄せたが、文句は来なかった。
Lの腰に両手を伸ばした月がTシャツのすそを掴み、そのまま持ち上げた。
Lは腕を前に出し、Tシャツを脱いだ。
やはり、色の白い肌が暗がりに浮かぶ。
細く、湶骨の浮かんだ身体は、お世辞にもたくましいとは言いがたく、月の笑いを誘った。
「なにか、おかしいですか?」
「甘いものをあれだけ食べているのに、脂肪が無いなんて、よほど偏った食生活をしているんだな」
「そうですね」
「早死にするよ」
「病死は避けたいですね」
「栄養失調か糖尿病だろ、まちがいなく」
「そんな風に死ぬくらいなら、月くんが殺してください」
濃茶色の揺れる瞳を捉えて、そのまま口付けをする。
「殺人者になんてなりたくないよ」
微笑んだ口元が、告げる、嘘。
「それでも月くんは私を殺したい」
まっすぐに見つめてくる双眸からは、何一つ見えない感情。
揺らして。
突き刺して。
そして、見せて。
(私が知りたいのは夜神月の心だ)
「・・・。そんなこと、思ってない」
淡々と、けれど少し怒りを含んだ口調で、睨まれる。
けれど、ほしい答えはそこには無かった。
布一枚をはいだとしても、何もない。
「残念です」
Lはその首筋に口唇を落とした。
(なにもかも。全てを脱いで、裸になったあなたがみたい)
熱い吐息が、薄闇に解けて消えた。
終わり
そして、ゆっくりと視線を足元に落とすと両手を膝の上におく。
Lは月に近づいて、ゆっくりとボタンをはずしていく。
沈黙とほの暗い明かりの中で、黙々と、まるで何かの儀式のように。
Lはその長い指先で、白いシャツの白いボタンをひとつずつはずしていく。
すっと伸びた首筋から、鎖骨が覗く。
そして、薄くも厚くも無い、胸板。
最後のボタンがはずされると、色白い肌があらわになった。
傷ひとつ無い、滑らかな肌。
「きれいですね」
そう、一言。
長い長い沈黙の後に、呟いて、触れる。
呼吸するごとに小さく振動する胸を撫でると、びくりと震えた。
「じれったいよ、竜崎」
少し、呆れたような。
熱い吐息と共に吐き出された声。
「せっかちですね」
ふ、と、口元を緩ませて、Lは月をベッドに押し倒した。
「僕ばかりで、ずるい」
不満を宿した視線がLを捉えると、なんのことかすぐに思い当たる。
「では、月くんが脱がしてください」
月の上にのったまま、表情を変えずに言うと、一瞬月が眉根を寄せたが、文句は来なかった。
Lの腰に両手を伸ばした月がTシャツのすそを掴み、そのまま持ち上げた。
Lは腕を前に出し、Tシャツを脱いだ。
やはり、色の白い肌が暗がりに浮かぶ。
細く、湶骨の浮かんだ身体は、お世辞にもたくましいとは言いがたく、月の笑いを誘った。
「なにか、おかしいですか?」
「甘いものをあれだけ食べているのに、脂肪が無いなんて、よほど偏った食生活をしているんだな」
「そうですね」
「早死にするよ」
「病死は避けたいですね」
「栄養失調か糖尿病だろ、まちがいなく」
「そんな風に死ぬくらいなら、月くんが殺してください」
濃茶色の揺れる瞳を捉えて、そのまま口付けをする。
「殺人者になんてなりたくないよ」
微笑んだ口元が、告げる、嘘。
「それでも月くんは私を殺したい」
まっすぐに見つめてくる双眸からは、何一つ見えない感情。
揺らして。
突き刺して。
そして、見せて。
(私が知りたいのは夜神月の心だ)
「・・・。そんなこと、思ってない」
淡々と、けれど少し怒りを含んだ口調で、睨まれる。
けれど、ほしい答えはそこには無かった。
布一枚をはいだとしても、何もない。
「残念です」
Lはその首筋に口唇を落とした。
(なにもかも。全てを脱いで、裸になったあなたがみたい)
熱い吐息が、薄闇に解けて消えた。
終わり
「好きです」
何度も繰り返す言葉。
「好きです」
何度も届かない言葉。
「好きです」
ずっと、そこに在る言葉。
「好きなんです」
前を見て、目を見て、顔を見て、そして。
口付けをして。
「好きだと、言っているのです」
心が、身体が、全てが。
届きますか?
届いていますか?
私は、ここに居るのです。
「好きだよ」
声は出さずに。
「好きだよ」
本当は誰よりも。
「好きだよ」
本当は何よりも。
そこに居て欲しい。
そばに居て欲しい。
キスをして欲しい。
届かない、言葉。
届かない、気持ち。
届かない、声。
「好きだよって、言ったんだ」
心が、身体が、全てが。
目を見て、心を見て、全てを見て。
僕を、探して。
「ここに居るのにいつも遠くに感じます」
竜崎が、そう言って、月を抱きしめた。
「そんなことないのに」
月は、そんな竜崎を抱きしめ返した。
お互いの体温が、重なり合って、ほっとする。
約束をすることが出来ないから。
黙って、抱き合って、キスをする。
本当は。
いつまでもずっと側に。
終わり
何度も繰り返す言葉。
「好きです」
何度も届かない言葉。
「好きです」
ずっと、そこに在る言葉。
「好きなんです」
前を見て、目を見て、顔を見て、そして。
口付けをして。
「好きだと、言っているのです」
心が、身体が、全てが。
届きますか?
届いていますか?
私は、ここに居るのです。
「好きだよ」
声は出さずに。
「好きだよ」
本当は誰よりも。
「好きだよ」
本当は何よりも。
そこに居て欲しい。
そばに居て欲しい。
キスをして欲しい。
届かない、言葉。
届かない、気持ち。
届かない、声。
「好きだよって、言ったんだ」
心が、身体が、全てが。
目を見て、心を見て、全てを見て。
僕を、探して。
「ここに居るのにいつも遠くに感じます」
竜崎が、そう言って、月を抱きしめた。
「そんなことないのに」
月は、そんな竜崎を抱きしめ返した。
お互いの体温が、重なり合って、ほっとする。
約束をすることが出来ないから。
黙って、抱き合って、キスをする。
本当は。
いつまでもずっと側に。
終わり
触れたら消える夢を見た。
花壇のチューリップ。
道端のたんぽぽ。
垣根のさつき。
曲がり角のあやめ。
庭先のマーガレット。
初夏に向けて、咲き誇る花々。
触れただけで、消えていく。
跡形もなく。
「どうして?」
何もかも消えてなくなった空間に一人立ちつくす。
「枯れるわけではないのですから、いいじゃないですか」
どこからともなく現れたLの声に振り返る。
急に足元がさらさらと崩れていくように感じて、月は震えた。
「同じことだよ。目の前からなくなるのなら」
2メートルほど離れた先にLは立っている。
触れられず、けれど目を離せず。
「では、消すのではなく、残せばいいじゃないですか」
簡単に。
ジーンズのポケットに両手を突っ込んで、ちょっと猫背のまま、Lは言う。
「どうやって・・・」
近づくことも手を伸ばすこともできないまま、月は姿勢を正した。
「それを考えるのが、月くんの仕事です」
かかとをつぶしたデッキシューズをつま先に引っ掛けて、Lがずるずると足音を立てて消えていく。
月に背を向けて。
引き止めることも、声をかけることもできずに、月は天を仰いだ。
なにもない、部屋の真ん中で、月は自分が何も残していないことを思い知る。
「なにを、残せと・・・言うんだ」
月には月自身しか残っていなかった。
終
花壇のチューリップ。
道端のたんぽぽ。
垣根のさつき。
曲がり角のあやめ。
庭先のマーガレット。
初夏に向けて、咲き誇る花々。
触れただけで、消えていく。
跡形もなく。
「どうして?」
何もかも消えてなくなった空間に一人立ちつくす。
「枯れるわけではないのですから、いいじゃないですか」
どこからともなく現れたLの声に振り返る。
急に足元がさらさらと崩れていくように感じて、月は震えた。
「同じことだよ。目の前からなくなるのなら」
2メートルほど離れた先にLは立っている。
触れられず、けれど目を離せず。
「では、消すのではなく、残せばいいじゃないですか」
簡単に。
ジーンズのポケットに両手を突っ込んで、ちょっと猫背のまま、Lは言う。
「どうやって・・・」
近づくことも手を伸ばすこともできないまま、月は姿勢を正した。
「それを考えるのが、月くんの仕事です」
かかとをつぶしたデッキシューズをつま先に引っ掛けて、Lがずるずると足音を立てて消えていく。
月に背を向けて。
引き止めることも、声をかけることもできずに、月は天を仰いだ。
なにもない、部屋の真ん中で、月は自分が何も残していないことを思い知る。
「なにを、残せと・・・言うんだ」
月には月自身しか残っていなかった。
終
「好きだよ」
耳に届いた言葉が信じられなくて、Lは顔を上げた。
目の前で、月が微笑んでいる。
いつものように。
いつもどおりに。
感情を隠した、微笑みの向こうに、月の本音は隠されていない。
「何を・・・ですか?」
動揺したことを悟られないように、Lは月の目を見た。
「誰を、とは言わないんだな」
頬杖をついたまま、月がLの視線を真正面から受け止めて、瞬きをする。
「どちらでも」
月の好意が何処に向けられているのか、誰に与えられているのか、それを聞きだしたとしても、本当の事ではないのだ。
巧妙に隠されすぎる。
「僕がいまここで、竜崎が好きだといったところで、信じてはもらえないわけだ」
「・・・」
予測していなかった答えが戻ってきた瞬間、思考が停止することがある。
月の返答に対して、Lができたことは、目を大きく見開くことだけだった。
「嘘だと思ってる?」
表情を変えずに月が言う。
Lの反応を面白がっているようにも見えた。
「月くんが本当の事を言うとは思えません」
Lはテーブルの上のショートケーキを一口、口に運ぶ。
月の視線から逃れる理由が欲しかっただけなのかもしれない。
「そうかな?」
月もそれに倣うように、頬杖をとき、ティーカップに入った紅茶をのんだ。
それでも、微笑みは消えなかった。
「でも、信じて欲しかったわけじゃないから」
開いた窓から風が吹き込み、白いレースのカーテンを揺らした。
「では、何故?」
思いつきで言うような言葉ではないはずだった。
「ちょっと、言いたくなったんだよ。忘れてくれていい」
空になったティーカップをテーブルに置き、月が席を立つ。
その姿を見上げるLと目を合わせ、微笑む。
「本当に?」
念を押すように確認すると、とうとう、笑い声が漏れる。
「疑い始めるときりがないな」
さほど気にすることも無く、傍らの上着と本を手にして月がその場を去っていく。
引き止めることもせずに、Lは見送った。
「信じるわけにはいきませんから」
ぽつり、と呟いた。
例え、それが気まぐれな本音だったとしても。
例え、それで心が揺さぶられたとしても。
終わり
耳に届いた言葉が信じられなくて、Lは顔を上げた。
目の前で、月が微笑んでいる。
いつものように。
いつもどおりに。
感情を隠した、微笑みの向こうに、月の本音は隠されていない。
「何を・・・ですか?」
動揺したことを悟られないように、Lは月の目を見た。
「誰を、とは言わないんだな」
頬杖をついたまま、月がLの視線を真正面から受け止めて、瞬きをする。
「どちらでも」
月の好意が何処に向けられているのか、誰に与えられているのか、それを聞きだしたとしても、本当の事ではないのだ。
巧妙に隠されすぎる。
「僕がいまここで、竜崎が好きだといったところで、信じてはもらえないわけだ」
「・・・」
予測していなかった答えが戻ってきた瞬間、思考が停止することがある。
月の返答に対して、Lができたことは、目を大きく見開くことだけだった。
「嘘だと思ってる?」
表情を変えずに月が言う。
Lの反応を面白がっているようにも見えた。
「月くんが本当の事を言うとは思えません」
Lはテーブルの上のショートケーキを一口、口に運ぶ。
月の視線から逃れる理由が欲しかっただけなのかもしれない。
「そうかな?」
月もそれに倣うように、頬杖をとき、ティーカップに入った紅茶をのんだ。
それでも、微笑みは消えなかった。
「でも、信じて欲しかったわけじゃないから」
開いた窓から風が吹き込み、白いレースのカーテンを揺らした。
「では、何故?」
思いつきで言うような言葉ではないはずだった。
「ちょっと、言いたくなったんだよ。忘れてくれていい」
空になったティーカップをテーブルに置き、月が席を立つ。
その姿を見上げるLと目を合わせ、微笑む。
「本当に?」
念を押すように確認すると、とうとう、笑い声が漏れる。
「疑い始めるときりがないな」
さほど気にすることも無く、傍らの上着と本を手にして月がその場を去っていく。
引き止めることもせずに、Lは見送った。
「信じるわけにはいきませんから」
ぽつり、と呟いた。
例え、それが気まぐれな本音だったとしても。
例え、それで心が揺さぶられたとしても。
終わり