文章用
香月が適当に思いついた文章とか文字とか言葉とか。
二次創作も混ざります。
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朝食は、一日を左右するという。
食べることを習慣付けられると、食べないと集中力が半減してしまうほど影響があるそうだ。
朝食を食べて居なかった頃はどんな風に午前中を過ごしていたか、覚えていなかったが、そんな時期もあったのは、確かだ。
今では、信じられないけれど。
「パンとご飯どっち?」
朝食の仕度をする前に、エプロンをつけながら、問いかけてくる。
あいさつがわりの、毎朝の日課。
「ごはん・・・。昨日、炊飯器にセットしてただろ?」
「パンでもいいじゃん。朝に食べなくてもいいでしょ?」
玉子は必ず二つ希望する。
目玉焼きは必ず硬めで。
「それもそうだな」
テーブルに座って、新聞を広げる。
キッチンから届くじゅうじゅうぱちぱちと油のはねる音。
「はい」
邪魔にならないように置かれたコーヒーカップには、入れたてのコーヒー。
朝一番のコーヒーは、砂糖抜きでは許されないことが、許せなかったが、怒ることでもないので、黙認しておく。
(身体に悪いんだって)
何のテレビ番組を見たのか、必死で訴えてきた目に逆らえなかったとも言う。
「ありがとう」
ちょうど良い濃さのコーヒーに、かすかな甘み。
さすがにこの味にも慣れてきたか。
「今日の予定は?」
味噌汁のおいしそうな香りが、漂ってくる。
白いご飯には、味噌汁が重要だと、思う。
「なにもなければ、午後6時帰宅」
「ぼく、ちょっと遅くなるかも」
「なら、夕飯は俺が作ろうか」
「ほんと?じゃあ、がんばって早く帰ってくる」
「遊んでくればいいだろ?夕飯は逃げないし」
「ちがうの。ぼくが、寧斗と寧斗の作った晩ご飯をできたてでたべたいの」
「じゃあ、がんばれ」
「うん、がんばる」
何をとは、改めて聞く必要は無い。
本人のやる気を尊重するのが、一番である。
「はい。できました!」
その言葉を合図に新聞を片付ける。
テーブルに並んだ白い皿の上に、目玉焼きと焼いたソーセージとレタスとプチトマト。
白ご飯にわかめと豆腐の味噌汁。
充分な朝ごはん。
向かいの席に翔流が座るのを確認して、手を合わせた。
「いただきます」
朝は、いつもこんな風な温かい朝食に始まる。
一日を決める大事な時間だった。
終わり
食べることを習慣付けられると、食べないと集中力が半減してしまうほど影響があるそうだ。
朝食を食べて居なかった頃はどんな風に午前中を過ごしていたか、覚えていなかったが、そんな時期もあったのは、確かだ。
今では、信じられないけれど。
「パンとご飯どっち?」
朝食の仕度をする前に、エプロンをつけながら、問いかけてくる。
あいさつがわりの、毎朝の日課。
「ごはん・・・。昨日、炊飯器にセットしてただろ?」
「パンでもいいじゃん。朝に食べなくてもいいでしょ?」
玉子は必ず二つ希望する。
目玉焼きは必ず硬めで。
「それもそうだな」
テーブルに座って、新聞を広げる。
キッチンから届くじゅうじゅうぱちぱちと油のはねる音。
「はい」
邪魔にならないように置かれたコーヒーカップには、入れたてのコーヒー。
朝一番のコーヒーは、砂糖抜きでは許されないことが、許せなかったが、怒ることでもないので、黙認しておく。
(身体に悪いんだって)
何のテレビ番組を見たのか、必死で訴えてきた目に逆らえなかったとも言う。
「ありがとう」
ちょうど良い濃さのコーヒーに、かすかな甘み。
さすがにこの味にも慣れてきたか。
「今日の予定は?」
味噌汁のおいしそうな香りが、漂ってくる。
白いご飯には、味噌汁が重要だと、思う。
「なにもなければ、午後6時帰宅」
「ぼく、ちょっと遅くなるかも」
「なら、夕飯は俺が作ろうか」
「ほんと?じゃあ、がんばって早く帰ってくる」
「遊んでくればいいだろ?夕飯は逃げないし」
「ちがうの。ぼくが、寧斗と寧斗の作った晩ご飯をできたてでたべたいの」
「じゃあ、がんばれ」
「うん、がんばる」
何をとは、改めて聞く必要は無い。
本人のやる気を尊重するのが、一番である。
「はい。できました!」
その言葉を合図に新聞を片付ける。
テーブルに並んだ白い皿の上に、目玉焼きと焼いたソーセージとレタスとプチトマト。
白ご飯にわかめと豆腐の味噌汁。
充分な朝ごはん。
向かいの席に翔流が座るのを確認して、手を合わせた。
「いただきます」
朝は、いつもこんな風な温かい朝食に始まる。
一日を決める大事な時間だった。
終わり
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そんなこともあるんだ?
驚いたのは、それだけじゃなくて。
そこに居たこと。
「ほら、見て!」
窓の外を指差して、叫ぶ。
薄い水色の空にかかる七色の虹。
すでに消えかかって、かすかにしか見えない。
「ね!見えた?」
帰り道、曇り空の向こうに見つけて、走った。
家に帰ってもいるとは限らなかったのに。
だけど、居た。
ちょうど、出かけていたのか、玄関をあけたら、そこに居た。
家の陰に隠れて、見えなくなっていたから。
家の中で一番大きな窓の前まで、引きずるように手を引いた。
「ね!」
窓を開けると、涼しい風が正面から吹き付ける。
前髪が全開になって、テーブルの上の書類が部屋中に舞い散った。
ぼくの隣りに並んだ寧斗は、まぶしそうに目を細めて、そうだな、と短く一言だけ言った。
「見えてる?」
「見えてるさ」
虹は、雲から完全に姿を現した太陽の光にかき消されてしまった。
よかった。
一緒に見られた。
ぼくは、嬉しくて笑った。
寧斗が、そんなぼくの頭を優しく撫でてくれたから、もっと嬉しくなった。
終わり
驚いたのは、それだけじゃなくて。
そこに居たこと。
「ほら、見て!」
窓の外を指差して、叫ぶ。
薄い水色の空にかかる七色の虹。
すでに消えかかって、かすかにしか見えない。
「ね!見えた?」
帰り道、曇り空の向こうに見つけて、走った。
家に帰ってもいるとは限らなかったのに。
だけど、居た。
ちょうど、出かけていたのか、玄関をあけたら、そこに居た。
家の陰に隠れて、見えなくなっていたから。
家の中で一番大きな窓の前まで、引きずるように手を引いた。
「ね!」
窓を開けると、涼しい風が正面から吹き付ける。
前髪が全開になって、テーブルの上の書類が部屋中に舞い散った。
ぼくの隣りに並んだ寧斗は、まぶしそうに目を細めて、そうだな、と短く一言だけ言った。
「見えてる?」
「見えてるさ」
虹は、雲から完全に姿を現した太陽の光にかき消されてしまった。
よかった。
一緒に見られた。
ぼくは、嬉しくて笑った。
寧斗が、そんなぼくの頭を優しく撫でてくれたから、もっと嬉しくなった。
終わり
寝る。
起きる。
食べる。
働く。
毎日、繰り返される。
どうやって、毎日に変化をつければいいのか、考える。
「あ、ほら、そこにあるじゃん」
座りごごちのいい2人がけのソファに陣取ってテレビを見ていたら、背中越しに翔流(かける)の声がした。
「どこ?」
面倒だったので、テレビに向かったまま適当に相槌を打つ。
「ほら、そこだって。ソファのひじ掛けにのっけてる寧斗(やすと)の足の先」
「なんだよ、その具体的な表現は」
「わかりやすいかと思って」
言われた俺の足の先には、もちろん何もない。
あるわけが無いのだ。
上を向いた足の先イコール空中ということなのだから。
「で、なにが、あるって?」
「もう見つけたから、どうでもいい」
ふぅ、と息を吐いて、テレビを消して、振り返ると翔流の満面な笑顔と目が合った。
「なにがしたいって?」
「一緒にいたい」
仕方なく、ひじ掛けから足をはずして、ソファに座りなおした。
「座れば?」
「ありがと」
ソファの裏側から、背もたれをまたいで、強引に隣りに移動してくる。
「つまんない?」
こつん、と肩に頭をのせてきた翔流に聞かれた。
「なにが?」
わからないふりをして、ぽんぽんとその茶色で柔らかな髪を撫でる。
「毎日」
言っても無いのに、すでにばれているのは、いつものことだとはいえ、そんなに自分が考えていることが顔にでているのだろうかと、少し不安に思わずにはいられない。
「そうでもないさ」
変化の無い毎日。
そんなことはない。
寝るにしても、時間は違う。
起きるにしても、見た夢が違う。
食べるにしても、食べるものが違う。
働くにしても、毎日同じことなどひとつも無い。
繰り返しても。
同じ日は一度も無い。
「毎日、違うことばかりだ」
「そう?」
ならよかった、と。
笑って俺からリモコンを奪い取ると、テレビをつけた。
「それに、翔流が、いるし」
「ぼく?」
「そう。飽きなくていい」
ふ、と、今朝のことを思い出して、笑う。
「ぼくだって!寧斗がいれば飽きないよ」
張り合うように背筋を伸ばした姿が、さらに笑いを誘った。
くりかえされる毎日に変化をつければいいのか、考える。
結局、変化をつけるのではなく、変化するのだと、思う。
正解はないが、それでいいのだと。
終わり
起きる。
食べる。
働く。
毎日、繰り返される。
どうやって、毎日に変化をつければいいのか、考える。
「あ、ほら、そこにあるじゃん」
座りごごちのいい2人がけのソファに陣取ってテレビを見ていたら、背中越しに翔流(かける)の声がした。
「どこ?」
面倒だったので、テレビに向かったまま適当に相槌を打つ。
「ほら、そこだって。ソファのひじ掛けにのっけてる寧斗(やすと)の足の先」
「なんだよ、その具体的な表現は」
「わかりやすいかと思って」
言われた俺の足の先には、もちろん何もない。
あるわけが無いのだ。
上を向いた足の先イコール空中ということなのだから。
「で、なにが、あるって?」
「もう見つけたから、どうでもいい」
ふぅ、と息を吐いて、テレビを消して、振り返ると翔流の満面な笑顔と目が合った。
「なにがしたいって?」
「一緒にいたい」
仕方なく、ひじ掛けから足をはずして、ソファに座りなおした。
「座れば?」
「ありがと」
ソファの裏側から、背もたれをまたいで、強引に隣りに移動してくる。
「つまんない?」
こつん、と肩に頭をのせてきた翔流に聞かれた。
「なにが?」
わからないふりをして、ぽんぽんとその茶色で柔らかな髪を撫でる。
「毎日」
言っても無いのに、すでにばれているのは、いつものことだとはいえ、そんなに自分が考えていることが顔にでているのだろうかと、少し不安に思わずにはいられない。
「そうでもないさ」
変化の無い毎日。
そんなことはない。
寝るにしても、時間は違う。
起きるにしても、見た夢が違う。
食べるにしても、食べるものが違う。
働くにしても、毎日同じことなどひとつも無い。
繰り返しても。
同じ日は一度も無い。
「毎日、違うことばかりだ」
「そう?」
ならよかった、と。
笑って俺からリモコンを奪い取ると、テレビをつけた。
「それに、翔流が、いるし」
「ぼく?」
「そう。飽きなくていい」
ふ、と、今朝のことを思い出して、笑う。
「ぼくだって!寧斗がいれば飽きないよ」
張り合うように背筋を伸ばした姿が、さらに笑いを誘った。
くりかえされる毎日に変化をつければいいのか、考える。
結局、変化をつけるのではなく、変化するのだと、思う。
正解はないが、それでいいのだと。
終わり